「Downwell」クリエイターズインタビュー”前例があまりないから、開発を通して理解していった感じですね”
「Downwell」で鮮烈なデビューを飾った麓旺二郎さんこと、もっぴん(@moppppin)さんに2015年の11月末にインタビューさせていただきました。発売後の反響やゲームデザイン、これからのことについてお聞きさせていただきました。
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写真は師匠に「マッハで向かってくる車を飛び蹴りでやったらかっこいいからやってよ」といってやった主人公の図。ちなみに1回轢かれて病院送りになった
イタリアのデベロッパーが作ったという「空手マスター2」を遊ぶをいろんな思いにとらわれてしまう。日本の80年代から90年代くらいのプロレス・格闘技のオーラがなぜヨーロッパにて伝わっているのか?とか、板垣恵介作品は思った以上に知られてるの?とか大元のネタ以上に戸惑うのは、もう続編が出ることがかなわない2つのシリーズを思い出させることだ。
さて海外のフリーゲームを簡単に探したいなってときにとても役立っているサイトは、itch.ioとGame joltの二つだ。ここは正確には作品によっては有料で販売されているため、個人作家のポータルサイトと観るべきなんだけども、無料でやたらハイセンスな作品が投稿されていることに特徴ある。
いや、無料というのは違うか…これらはPay what you want(あなたの好きな金額でお支払いください)って形で公開されている。paypal を利用して、面白かった作品には作家にお金を払うことができるってシステムになっている。まあ日本でたとえるなら、ふりーむ!やvecterで登録した作家にダウンロードしたお客さんがいくらか好きな金額を支払えるような感じかな。というわけでそのあたりを漁っていて面白かったものをいくつか。
タイトルクリックでダウンロード先に行けます。これらを面白そうだな、と思ったなら、いくばくか作った人たちに届くように、お金を目の前の帽子の中もしくはギターケースの中に入れてみてください。
あらゆるFPSや当時のwalking simulatorの方法を引用しパロディにした「stanley prable」を生み出したクリエイター・Davey Wredenの新作「The Beginners Guide」。簡単なあらましは「今はもうゲーム製作をやめてしまった”Coda"という名前の個人ゲーム作家の2008年から2011年の間に作られた作品を、友人だったDavey Wredenが解説していく」という内容になっている。
前作の先入観があるならば、極めてタチの悪い、数多くの個人ゲーム製作者たちが陥りやすいスクリプトの間違いやコリジョンの設定のぐちゃぐちゃさみたいな傾向を嘲笑するような諧謔的な内容を想像するかもしれない。確かにそういうところはある。けれど実際は逆だ。結末に行くにつれ全く違ってくる。そんなことは全て吹っ飛んでしまう、ずっとシリアスなことだった。
2008年から2011年までの3年の間にCodaによって作られた膨大なゲーム群は、全て一人称視点のゲームだ。作りかけのFPSのステージや、実験的なwalking simulator、不思議なパズルなどなど様々なバリエーションがある。Daveyがそのひとつひとつを解説していくのをプレイヤーは追っていく。最初の頃こそゲームを作り始めた人らしいありがちな稚拙さ、ありがちなプレイビリティを無視した実験的なゲームが大量に出てくる。だがしかし、年を経るにつれ内容はあらぬ方向へと向かっていく。
とりあえず今回は詳しい内容に触れるのは「続きを読む」をクリックしてからにしよう。まだ遊んでない方は買ってみて、クリアしてからまた来てほしい。90分から110分、バンクシーの作ったドキュメンタリー映画「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」を観るくらいの時間があれば最後まで行けるので、その後また会いましょう。
「Downwell」。大変な話題作となっておりますね。そのバズりようを「NASがillmaticをリリースしたときみたいだね」と例えるのをみたこと無いくらいにはゲームファンとヒップホップの距離を感じさせるのだが、そんなことはどうでもいい。
さて本作は「ローグライクアクション」(ステージやアイテム、敵配置が自動生成のアクション)のジャンルである。このジャンルはここ何年かの間に数々の名作がリリースされてきたし、「Downwell」はその中でもひときわ発売前より注目された。このゲームがどう面白かったのか?って書き散らしです。
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最初はインフルエンザなのだと思われていた。”それ”は観測所から電線を通じ、拡大した。電話を通じて農村の人間たちの中に入り込んだ。鉄道は止まり、村は閉鎖された。その奇妙な事態の顛末を見つめるプレイヤーにもまた、コントローラーを握りしめる手を通して”それ”は入り込む。
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上田文人の「ICO」が見せたゲームデザインは未だ影響を与え続けている。一切のユーザーインターフェースを取り除くことでプレイヤーからルールや競技性の観点を省き、エモーショナルな体験に注力することだ。それは「ブラザーズ:二人の息子の物語」などなどに影響の後は見られる。
ブラジルの開発会社swordtalesのデビュー作である「toren」もまたそうしたデザインを引き継ぐ形の作品である。だが先に書いてしまうとキャラクターのモーションやアニメーションの質は決して高くはない。それは「ICO」スタイルの生命線でもあるゆえに、完成度に影を差す。
では後発の失敗作なのか?というとそうではない。「toren」が与える独自の印象とはエモーショナルなそれではない。イニシエーションと啓示に溢れた、感情を沸き立たせるような…とは違う異質な余韻を残す。それは南米に渡った「聖剣伝説」みたいで、主人公の少女は剣を取り成長する大樹を伝って塔を登っていく。
中量級規模のタイトルとして、独自の地位を築き上げていたtales of talesの最新作「Sunset」。しかし現在、その作品性どうこうよりも、半ばスキャンダラスな側面が混ざりこんでいる。ここに詳しいようにかつてなくメインストリームに絡もうとするデザインやプロモーションを行ったにも関わらず、期待した結果とならなかった。そのためゲーム開発から遠のくことを宣言。それは矮小化され「インディペンデントが商業的に結果を出そうとするも挫折」というゴミのような意味で門外漢にも注目され、スタジオの最終作と(おそらく)なった。
ではこの作品に何があったか?それはこのスタジオを評するときの紋切り型の「アート的な…」だとか「実験的な…」といったそれでもないし、はたまたナラティブだよねいやいやゲーム性を超越したどうこうのようなビデオゲーム書き散らしに蔓延するバズワード両巨頭を持ち出すような作品でもない。ゲームメカニクスこそアート、インディペンデント的な難解さは仕方ないけれど、その物語内容自体はかつてなくドラマティックなものだ。
これはシンプルだよ。もしかしたら日本人オタク層だったら本当に痺れるみたいな要素に彩られた作品なんだ。それはメイドと、決して顔を合わせることのない御主人様との、わずかなメモや仕事の中から淡い感情が取り沙汰される、官能的なゲーム。背景には悲惨な革命。窓ガラスに映る自分の顔。遠くのビルの向こうで燃え盛る爆炎。アートや実験的なんて敷居なんてどうだっていい。その物語内容は暴力や官能、時に愛と死の行間を持ち、静かでロマンチック。それゆえにtales of talesの中で過去になくメジャーな作品じゃないか?
ここ10年内の中軽量規模のゲーム界隈で、2Dプラットフォーマーでは意味深い作品が数多く現れた。それは基本のジャンプアクションにもう一つ特殊なメカニックを兼ね備えた意匠を持つだけではなく、ゲームの競技性以上に特異な体験や表現が織り込まれていた。それはアートとして。それはコンセプトとして。
「Braid」は時をテーマにしたメカニクスもさることながら、その構成はあらゆる2Dジャンプアクションの構造を裏返すかのような作りだった。
「Limbo」はノワール映画やドイツ表現主義的とされた白と黒の影絵のなかで、一切の説明を省き残酷な旅路を見せた。
「Fez」は2Dの中に3Dのデザインを行う、ということを単なるメカニクスにだけにとどまらず、音楽からヴィジュアルまで3Dで培われたデザインを持って、今日のデザインを先行した2Dのピクセル時代を洗いなおした高次元のアート・デザインを実現した。
「thomas was alone」までくればもはや極北かもしれない…極限まで記号化されたキャラクターへのナレーションが、かけがえのない旅路を彩る。
ぱっと思いついたこれらの作品は、2Dプラットフォーマーを通してそれぞれビデオゲームの別の可能性を切り開こうとしていた。「Disorder」はサヴァンナ芸術工科大学のアート・デザイン科の学生によるプロジェクトからスタートした、2Dプラットフォーマーの可能性を押し広げる一つだ。切り開こうとしているのはスキャンダラスなテーマだ。そう躁鬱病の精神の揺れをゲームメカニクスに落とし込もうとしている。
遠くから砲声が響く。空は黄土色に濁った曇り空が続く。ぼろぼろの家屋の中に3人は逃げ込む。わずかな資源。「こんな町早く逃げ出していればよかったんだ…」 7日が経つ。先の見えない戦争。容赦なく食料を奪う。ひどい季節。寒波が身を凍えさせる。それは心をも痛めつける。お互いが慰めあう。「助け合わなきゃいけないの、そうでしょ?」次の日ひとり死ぬ。誰かが医療品を求めに来る。少し考え、帰す。夜、スーパーマーケットへ資源を漁りに行く。銃を持つスカベンジャーに追い立てられる。犯罪が横行する…
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