バットマンほど真実について知りたがりながら逆に遠ざかるキャラはいない「Batman Arkham Knight」感想・考察
漫画からスタートしたバットマンシリーズは映画・アニメなど様々なメディアにて独自の解釈の作品が生まれた。単なるメディアミックスというだけに留まらず、そのメディアでしか成立しない何かを捉えるほどの完成度を見せることも少なくはない。たとえばノーランの「ダークナイト」などなど…
「Batman Arkham Knight」は漫画や映画のバットマンとは異なる、ビデオゲームならではの描かれ方をしている。でもフランク・ミラーの傑作漫画以降に付きまとっている正義や善悪の境界で苦悩するバットマンを描いているけれど、そこじゃない。他のジャンルでは見られないスタイルを追求していることが大きい。それは「バットマンを操ってオープンワールドのゴッサムシティを飛び回る」ということでもない。
このゲームを作ったRockstadyはビデオゲームでしかできないアートスタイルとストーリーテリングを追求しようとしている。(自分のバットマン観測範囲だが)それはたぶん漫画や映画、アニメでは追及されてないところだ。
すばらしい試みだ…アメコミのモダンエイジ期にリスペクトを送っているだろうクリストファー・ノーランの映画の試みにも重なる。だがこのゲームもノーランの映画と同じくらい「このメディアならでは」を追及する一方、本当のコアになる部分を落としている。
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