5.ゲーム環境周辺

2015年12月28日 (月)

GAME・SCOPE・SIZE 2015年のベストビデオゲーム

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 GAME・SCOPE・SIZEの2015年のベスト、並びに書き散らしたエントリまとめです。タイトルクリックで書き散らしに飛べます。

 画像は主人公が「half-life」のゴードン・フリーマンのような姿になっている「FALLOUT4」です。ハウジングで鋼鉄の九龍城塞を作り続けており全く進んでいないため、本作はとても評価できないのでした。

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2014年10月30日 (木)

現代アドベンチャーゲームがさりげなく黄金期に突入している6つの兆候

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 アドベンチャーゲームはビデオゲーム表現の最先端に位置するジャンルであると信じて疑わない。そこには俗にいうゲームメカニクスと競技性というものが、他の多数の解法や修練を必要とするアクションやRPGなどのジャンルと比較して、おおよそパズルを解くなどの部分に極端に狭められている。いわゆるゲーム性と俗称されがちな部分が他ジャンルより低めに見積もられている。

 代わりにビデオゲームを構成する”プレイヤーとゲームの関係性”や”ゲームメカニクスで回収しきれない、ヴィジュアル、ストーリーテリング、コンセプチュアル、感情などなどの部分”といった、かつてのアクションだとかFPSだとか他ジャンルが後から導入していったものをいくつも先んじているゆえに、常にアドベンチャーゲームは地味ながら革新を行うジャンルと思うからだ。


 そのジャンルがここ最近活発な兆候がいくつかみられる。ある意味で未来の革新を始めている最中では?と思ってしまうくらい、今多彩なアドベンチャーが大小ともに具象抽象ともに揃っている。というわけで黄金期を感じさせる6つの兆候。

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2014年10月24日 (金)

「龍が如く」シリーズは10年前から日本のコンソールの未来を実現してたんだよ

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 しばらくぶりに日本のコンソールのトレンドを見るとすごいことになってるね。歌舞伎町化してる!日本のビデオゲーム大手が一部歌舞伎町化してる!

 FF15はもう、豪華絢爛でかっこいいことがどういうことかわからなくなってゲシュタルト崩壊した姿が大草原をラグジュアリーカーでヤンキー・ホスト系(でもソウルジャパン系はいないという)主人公が爆走するというシーンに表れてるし、キャバクラにはご存じドリームクラブからoculusで開発中らしい風俗のイメクラサービス風味の「サマーレッスン」、気が付けば無双シリーズは、かつてはガンダムだとかワンピースだとか人気アニメやらのコラボだけでは飽き足らず、なんと任天堂のゼルダの伝説とコラボ!さらには今後ドラクエとのコラボも控えてるっていう。なんだこれは!白昼夢なのか!でももう現実に発売されてる!一体どうしてしまったんだ、PS2期に流行ったデビルメイクライ型のスラッシュアクションはプラチナゲームスがほとんど一人でその歴史を引き継いでいる貴重なジャンルになっている一方で無双系は安手になにか豪華コラボ風味を行うドン・キホーテのようなことに…

  スマートフォン普及からネイティブアプリゲームやPCダウンロードサイトなどなど広まってる中で、コンソールならではのフルプライスの体験はどうなるか?だなんて言われてるけど、クリエイティビティから市場環境あらゆる要因ひっくるめて、コンソールという一般的な豪華さゴージャスさの表現の上限はある意味歌舞伎町的かよ!そんな妄想を禁じ得ない。


 もうこれは予言していたんだ、そうあのシリーズはこうなることを予言していたんだ、「龍が如く」は日本の未来絵図を凝縮してたんだ!相当なハイペースで開発され続けてきた中、新作「龍が如く0」はいよいよ過去ネタ。しかもそれは、バブル時代。トレーラーの中で若き桐生一馬が金をばら撒き、「ハングオン」「スペースハリアー」をプレイしている。

 初代リリース当初では同じセガの伝説の作品「シェンムー」との比較が為されたけど、同じ80年代が舞台になることで「現在の技術で過去へ戻る」とある意味では先祖返りのようなことが見られる。でも「シェンムー」は来るべき未来、先端的な技術の前線から過去の世界を見せるってそれだけど、「龍が如く0」はいくばくか後ろの方の技術でバブルリバイバルのそれは、やけくそである。


 日本コンソールでも、小島プロダクションの「MGS」シリーズから最近リリースされたタンゴ・ソフトワークスの三上真司の新作「サイコブレイク」などを観ると、どうあれ変貌したゲームデザインの新ルールに適応しようとした努力が濃厚に見える一方、そうした諸海外のAAAクラスのゲームデザインの新ルールから別である「日本ならでは」の豪華なものとは、歌舞伎町なる感覚に(一部)集約されているかのようだ。「龍が如く」シリーズは、今になってやけにしっくりくるように映るのだった。すべてのゲームが神室町になる!

 

2014年9月19日 (金)

ガキの頃のトラウマゲーム「ヘルキャブ(Hellcab)」

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 年を食っていくとそれなりに培われた知識や文脈、体系を元にして新しいものを判断するようになっていくので、「まったくなんだかわからない、未知の恐怖」というトラウマ感を覚えることも少なくなっていく。

 ビデオゲームのトラウマ感を覚えるのはやはりガキの頃ならではのものだ。オレがまさにガキの頃、そうしたトラウマを覚えたものはコンソールゲームでいくつかあるけれど、中でも「まったくの未知」に触れる恍惚と恐怖が凝縮されていたのが、とあるPCゲームだった。

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2014年5月 6日 (火)

「Kero blaster」リリース記念・「洞窟物語」によって俯瞰されるインディーゲーム史10年の変貌のメモ(修正版2)

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ビデオゲームライターであり美学研究者でもある死に舞さん主催の「HOT LINE TOKYO」(以下HLT)に参加させていただきました。

 議題は「洞窟物語」で、ゲームデザインがどう優れているか、音楽がどう印象深かったか、獣の女の子になにかフェティッシュなこだわりがあるのかなどなどが多くの参加者によって語られました。そこで自分が重視したのは現在インディーゲームが今やソニーがフォローする形になり、メサイヤでさえ取り扱おうとする流れとなっているほど広がっている中で、どうして「洞窟物語」がインディーゲームの中でも歴史的にも重要な位置になったのだろうか?ということでした。


 「洞窟物語」の内容の素晴らしさを語るのはすでに多くの方が行っているため、ここでは作品が発表された2004年前後の時代の環境の変容が、いかに「洞窟物語」の完成度とタイミングがあったのかというここ10年の歴史を「洞窟物語」を通して振り返るという「Kero blaster」リリース記念エントリです。書く前にざっと筋を考えただけでも相当な難しさとなったためまずはメモ程度です。

 書いていてわかってなかったり抜けがある気がしてならないのでおいおい修正していきます。


 

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2014年2月15日 (土)

ゲームの8bit~16bitのリバイバルは一体いつ、どこから来て、そしてリバイバルを越え、独自進化したのか?

 

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 今ではPCやスマートフォンで簡単にダウンロードできるゲームなどで8bitや16bitのグラフィックやサウンドをもった意匠のビデオゲームを当たり前のように数多く目にするけど、それにしても進歩し続けるビデオゲームのグラフィックやサウンドへのカウンターのように現在でも存在感を見せ続ける8bit16bitリバイバルは一体いつごろから、そしてどのように発展してきたのだろう? あんまり綿密な検証は出来てないながら、簡単な話題くらいに考えた雑記。

 

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2014年1月 4日 (土)

Game・Scope・Size's Game of the year 2013

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 昨年は本当に豊饒な年だった。PS3やXBOX360の現世代機ファイナルの作品群もさることながら、スマートフォン・フィーチャーフォンで展開されるソーシャルゲームの尋常でないトレンドの移り変わりから、これまで視界に入れていなかったPCでのsteamやGoGなどのDLサイトや、iosといったプラットフォームにて膨大なラディカルな作品から実験作、海外ADVの過去作を遊べたことは非常に面白い体験だった。

 昨年はどれも面白くて選ぶのに困った、というのは何も自分だけではないと思うが、ビデオゲームに競技性(狭義ゲーム性とも・ダジャレみたいね)も蓄積・収集もあまり優先していないために、ベスト10はほとんどインディーズゲーム界隈ばっかりになってしまった。

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2013年9月20日 (金)

JRPGは映画の時代が崩壊してTVドラマ時代に突入という感じ「チェインクロニクル」感想と考察

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 JRPGの現在とはどこにあるのだろうか?海外大手サイトIGNでは「PS3トップ25選」 にてJRPGで唯一選ばれたレベルファイブの「二の国 白き聖灰の女王」の中で、その賞賛の背景として「JRPGのファンにとって、このジャンルが今世代中に大きく衰退した姿を見るのは悲しかった。」とジャンルを評している。


 オレなんかはそもそもの日本製RPGを「JRPG」というジャンル名で呼ぶことが海外ベゼスダやバイオウェア作品が評価されていく一方で逆輸入されるかのように広まってきた時点で「日本製RPGのカットシーンとゲームプレイシーンの当然の分離。さらにフィールド・戦闘のような各シーンの分離。ゲームプレイ面の上限に「やりこみ」という言葉に代表される蓄積と収集要素への集中。」といった、その構造を越えることも脱構築もすることなく特殊性を特殊性のまま放置したその傾向をそう言ってるかに見え、あまり良くは聞こえなかった。


 

 JRPGってのは「FF10」がカットシーンとゲームプレイのつなぎを当時かなりのレベル埋め合わせることで、現行の「アンチャーテッド」などが実現しているような長編映画の流れに乗るかのようなビデオゲーム体験を実現し、もう一方で「FF11」でのオンラインに踏み切ることによるゲームメカニクスの前進に手を付けたPS2時代の2001-2002年あたりを最高点として以降、小島秀夫のいうような垂直方向の進化というのはストップしていると思う。(枯れた技術の水平方向では「ゼノブレイド」「ペルソナ3・4」が優れていた。)


 さらにビデオゲームの買い切りでのパッケージビジネスは大作でコストのかかり、リターンも難しくなりつつある現在、限られたタイトル以外はコンソールで作れなくなり数多くのメーカーがソーシャルゲームへと手を出している。スマートフォンによるネイティブアプリ時代はじめ、F2P(基本無料)時代が到来しつつあり、従来の関係が変貌しつつある。


 ただオレにはその流れはかつての(そして現在の)映画とテレビの関係なんかを想起させられる。買い切りの豪華な体験ってのが極に来ちゃってコストやマネタイズの問題で失速し、当り前に一人一台というレベルで普及しているスマートフォンやPCブラウザで展開される基本無料で展開される構図ってのはその流れに似通っているように感じられる。


 もちろんビデオゲームと映像業界は構造がまったく異なるのでたとえ程度の話なんだけれども、JRPGの持つクリエイティビティのホットスポットは今後このF2P周辺で、早い話「映画の時代が失速しつつある中テレビドラマ時代の到来」という感じでそれをセガのスマートフォンでの「チェインクロニクル」が率先して示しているかに見えた。ということで、JRPGは基本無料テレビドラマ時代突入なんじゃねえのという感想と妄想と考察。

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2013年5月19日 (日)

現代アドベンチャーゲーム研究・生存編・もしも「神宮寺三郎」の新作や「クロス探偵物語」の完結編が製作されるためにクラウドファンディングにて出資を募うならばADVファンは手を貸す準備をするだろうか?

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アドベンチャー、クラウドファンディング、ダウンロード市場

   ~現代アドベンチャーゲーム生存研究~

 ネットで簡単にシューティングゲームや格闘ゲームといったジャンルの栄光と衰退はどのような立場や場所であれシリアスに、それこそこのジャンルらしく瞬発的に議論されるのだが、アドベンチャーゲーム(以下ADV)というジャンルの栄光と衰退に関してもそのシリアスさの度合いに差は無いと思うがその声はさして大きくなく数が少ない。それでもこのビデオゲームの物語と表現に強く関わるジャンルらしく熟考的になされることが多い。

 さてADVの栄光と衰退、それから再生を考えるに、まず日本のコンシューマーでのADVの現状はやはりダイレクトな市場の結果が要求され、数少ないシリーズばかりしか生き残ることを許されず、セールスや成長規模の結果ゆえに出資が得られず続編を期待されていたシリーズが停止していることも少なくない。


 それは海外であっても例外ないところであるのだが、ところが向こうではパッケージが制約を受ける小売や流通といったリスクを外せるPCやタブレットによるダウンロード市場の活況や、製作資金を工面するために不特定多数から出資を募るウェブサービス「クラウドファンディング」にて有名シリーズや新規タイトルの製作資金を調達しているケースを見ることが少なくない。

 あくまでまだ情報が集まり切っていないオレ自身の印象論程度で恐縮なのだが、マスに向けた市場での勝利は遠ざかっても、コアによる追いかけは未だ強い海外のアドベンチャーゲームが継続または誕生に当たって、コアファン自体が続編や新作を見たくて出資するというクラウドファンディングの重要性は増しているのではないか?と見ている。


 ではこれが日本に置き換えるならば、たとえば「クロス探偵物語」の製作者が完結編を出す為に腰を上げたとして、クラウドで出資を募り、コアファンたちが製作費を支援するということは起こり得るのだろうか?

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2013年4月 2日 (火)

「ゲーム性」は何か?という議論に一言たりとも耳を貸すな・それはビデオゲームの評論全体に付きまとう呪われた言葉

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 ビデオゲームの批評なり評論なりには、とある言葉が本当に長い間呪いのように付きまとっており、ところどころでその呪われた言葉に関しての議論が黒ミサのようにどこかで行われ、おまけにその呪われた言葉があまりにもシンプルな言葉で議論に参加しやすいゆえに人が集まりやすく、そして結局答えは出ないままに人々が散り散りに分かれたのちに呪われた言葉は伝染していき、またどこかで同じように議論されまた答えが出ないまま終わることを繰り返して今までに広がってきているである。


 その呪いのような言葉とは何か?それはそのままシンプルに「ゲーム性」というもの。「ゲームらしいゲーム」なんて言われ方もある。それを巡って多様なビデオゲームの議論の対象になる。非常にそれはシンプル。ビデオゲームが好きで長く遊んでいる人なら少しは考えたことがあるから参加しやすい。でも、ほとんどがまっとうな結論に辿りつけないくだらない議論で終わる。


 さて今回は長らく居座るそんな呪われた言葉を中心とした、これまでにこの呪いに関して真っ向勝負で挑んだ論文も引用しつつのビデオゲームの批評や評論の現実に関してのエントリ。今回エントリがやはり黒ミサで終わっているのか、呪いを打ち破る一刺しで終わっているのかは読まれる皆様に委ねられる。

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