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2014年5月12日 (月)

「Kero Blaster」はあのゲームに似ている いやそれはリバイバルなんて言って昔のゲームじゃないんだ 確か去年に遊んだあれなんだ

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 さあ開発室pixel最新作「Kero blaster」リリースということで、5月11日午前0時以降にPC版配信元のPLAYLISMがすぐさまサーバーダウンするほどのアクセスがあったというほどの大きな注目度を集めた作品である。

 ということで自分もさっそく一通り遊んでみたんだけど、なぜなのか遊んでいてなにかこの感触というか、それどころかなにか世界観、登場人物の背景の感触というものまで含めて過去にこんな感じの作品をやったことがあると感じてならなかった。しかもそれは過去の体験リバイバルとかじゃなくて、まさについ最近。詳しく言えば去年にやってたような気がする…というわけで「Kero blaster」に似たゲームとはなんだったか…を思い出しつつのサイコロジカルレビュー。

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 …確かあのゲームのはずなんだ、肝心なところが思い出せない。いいだろう、まずは順を追って書くことで、思い出す対象を絞っていこう。先日の記事で「洞窟物語が、過去の8ビット16ビットのビデオゲーム体験を現代の環境・デザイン水準にてリバイバルするということを先行していた」なんて書いた気がする。気がする…最近忘れっぽくなっている…それは膨大なコンテンツ過多な状況ゆえにいちいち覚えていられないそれだろうか…というか頭を使わな過ぎているそれだろうか…記憶をわずかな時間しか保持できないクリストファーノーランの「メメント」やジョジョ6部のジョリーンの受けたスタンド攻撃のように自らの身体をクォートやカーリー、ミザリーやトロ子の落書きで満たし記憶を担保していくべき時になっているのだろうか?


 極論すれば歴史というものそのものですら便宜的に身体に落書きを書いて思い出すためのものだなんていえる気すらする…こうした「メメント」のような記憶を担保しきれない主人公を人類全体に敷衍するとしたなら、人間日々新たに生まれてきて、その時点では過去や世界のコンテクストがどうあって、そして自分がその中でどのような位置に生きているのかというのを理解していない。生きていく中でそれを学び、そして進行する現実に適応していく、今いる現実を確認するために描き残されるのが歴史ともいえ、身体に描きつけられた情報を確認しなおし現在どこにいるのかを見直すのだ。


 「Kero blaster」はそれは開発室pixel自身がいかにして自身が成立したかのポイントにある記憶を、そのヴィジュアルから観る限り簡単な(雑な、荒い)アナライズをしてしまえば1983年~84年ごろの初期ファミコンソフトを喚起するようなドット描写のヴィジュアルにしている。実際のゲーム構成も問答無用でステージ数が表示され、そしてまず残り何機あるかが表示されてから始まる「スーパーマリオブラザーズ」恒例のあれだ。


 本作配信前にプロモとしてフリーで公開された「PINK HOUR」で主人公を務めた篠崎愛を何故か思い起こさせるピンクのOLも、あれも1984年の「ナッツ&ミルク」のイメージをどこかしら思い起こさせもする。

 しかし自分が思い起こさせるのはそんな過去のファミコンの記憶云々ではない。もういいじゃないかリバイバルなんて!もうここ3、4年の間にやりつくされちゃって時代は過去エッセンスを引用しながらさらに新概念へと突入している。「Kero blaster」でなにか強烈に記憶を思い起こすのはそのクリエイトの痕跡部分でなく単なる主人公サイドの背景や設定だ。寡黙な仕事人、掃除人の主人公…謎の企業所属…ピンクの愛らしいマスコット的なキャラ…女上司…去年何か似たような…何か思い出せそうだ…次はゲームデザインはどうだろう?

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 基本的には「洞窟物語」に準じた体力制のジャンプ&ショットアクションで、違うのはさっきも書いたように残機制限ありの基本ステージ制度。「洞窟物語」も実質的にステージ制度的なデザインだけどあれは基本メトロイドヴァニアと呼ばれるようにマップ探索型なんで一発ライフ0になったらセーブ地点からやり直しだけど、「Kero blaster」は豊富なチェックポイントの配置によるトライ&エラーの繰り返しの中で、自らのアクション技術の上達プラス、資金を集めることによるライフや武器の強化によるハック&スラッシュ的な楽しみ、言い換えて難易度減の要素がすり合わさることで、決して簡単ではないが確実に誰でもクリアに近づける構成になっている。


 昔の「マリオ」とか「ロックマン」とかクリアに至るまでには全てプレイヤー自身の技術上達のみに絞ることが多かった中で、現代のゲームはそれだけじゃなくAAAタイトルからスマホ系に至るまで資金や経験値の蓄積部分によるキャラクター成長という快感も含めてゲームデザインにしているケースも多々あり、その配分を意識してるのが現代。「Kero blaster」は上手いひとならザクザク進めるし、上手でない人でもステージの繰り返しの中で溜まる資金によってキャラの強化を楽しみながら、少しずつ自分の技術が上がるのを感じられるように配分してある。



 主要な武器も4種類に限定されている上に、ステージのデザインや敵配置に合わせておおよそ最適なショットの種類を選ばせるようにデザインされてるので死に武器が無いのもいい(しかも、全武器レベルMAXにしてさえ、2週目でも全種類駆使できるように構成されてる)。この辺が「宮本茂的な」とも称された開発室Pixelらしい微細な配分とも思う。

 プレイヤーの技術上昇を、ある種妨げる要素でもある危険な部分とさえ思われるハック&スラッシュ的な成長部分導入して、案の定アクションの気持ちよさとか面白さまったく生きてないIosの2Dアクションも見かける中、「Kero blaster」はその危険な要素さえもバランスよくデザインしている。レベルMAXのレーザーはちょっと強すぎる気はしないでもないけど、まあそんなのはやるもやらないも自由だ。


 そしてこの「決して簡単ではない」「しかし資金蓄積によって主人公を強化&プレイヤーの技術上達の二つの成長が感じられるデザイン」…これも何か去年に遊んだ記憶がある…あっあっ思い出せそうだ…執行…うう虐殺…処罰…ああ暗殺…ううコンボを繋げることによる…頭が、頭が割れそうだ…技術上達と強化サイクル…これは…あと少し、あと少しだ。



 何かあと一つ接点がある気がする…なんだったか…わかった!クリエイターが今からおよそ9、10年前のエポック的な作品を出し、その作品に近似するデザインの新作への期待、その内容という面かもしれない。…あと少しだ…あと少しで思い出せる…「Kero blaster」と同じ頭文字「k」から始まるところまで来た…記憶を取り戻して現在ここが何なのかを自覚しなおすのだ…そもそも歴史を辿る行為もある意味では自身の記憶や立ち位置を喪失しており、それを補完しなおし現在に還元する行為だ…記憶の獣が唸りを上げ駆け巡る…書いてる本人も…もはやわかって書いていない…そもそも…今自分は何のエントリを書いているんだ?…「Mutant Mudds」か?

   iosで遊んだ中で出来が良かったものの一つ「Mutant Mudds」 。奥行きのある2Dステージ構成のジャンプ&浮遊。


 「Kero blaster」はiosバージョンに触れたのだが、ここまでスマホで触れたアクションで感心したのはUBIの「レイマン ジャングルラン」「Mutant Mudds」の二つなのだがそれらに比肩するインターフェースのデザインには違いない。ショット&ジャンプアクションはバーチャルパッドでも連打やバーチャルボタン押しっぱなしを要求するデザインが少なくなく、やはり違和感がぬぐえないものが少なくない中、「Kero blaster」はフリックした方向にオートでショットを連射し続けるというデザインにしてある。

 
 これはいまiosでリリースされているシューティングの数多くがショットがオートでON・OFFを切り替える形式になってるのに合わせているかのように見える。それだったらショット状態のままでジャンプに集中してればいいの?と思いきや、ボーっとショット打ちっぱなしにしてたら攻撃を受けて反撃の弾を撃ちだしてくるトラップも配置されているため、このあたりも要所要所ON・OFFを切り替えることを要求するようなデザインとなっている。



 「k」…「ki」…10年前…「洞…窟物語」…「…er7」…2005年…その偉大な作品の…その次回作…へ…かかる期待…その結果として…意外なほどのステージ制アクションへの回帰…「kil…」…あと少し…この近似…殿アンジー…ステージ制度なんだけれど、うっすらとうかがい知れるその世界観…


 …でもその全貌だとか詳しい実態などは、はっきりとはわからないまま。…それは…あっあっ…「黒いやつ」という実態の無い(バグというイメージ)の敵を消す…それと…ワ…ヤーズ…悪…意(そのイメージのスラッシュアクション上の実体化)…どうのがダブり…うああ!…ドヴォルザーク!…聴こえるる!…聴こえるるぞ!記憶の奥底で!…「新世界より」聴こえるる!あっあっ…モン……………思い出した。「Kero blaster」が、何の、ゲームを…思い出すか。記憶を、取り戻した。

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コメント

えっと、「KILLER IS DEAD」とどのへんが似ていたのでしょうか??

> sabooさん

この問題は超極私的な問題…
2004-2005年に「洞窟物語」「キラー7」という伝説的作品を上梓…
そのおよそ10年後の現在…かつてのそれらの作品を想起させる新作…
でも内容はシンプルでソリッドなステージ制アクション…
主人公はなにやらよくわからん所に雇われる仕事人(大掃除屋とか処刑人とか)…
世界観がどうやらある割に説明不足のシナリオ…
プレイヤーの技術上達とキャラクターの成長強化サイクルの一致具合など…
でも分かってもらえなくていい…これは超極私的な問題…

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