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2014年1月

2014年1月22日 (水)

「Papo&yo」感想と考察 南米の少年の”病んだ親からの虐待”の記憶を巡るファンタジーそしてドキュメンタリーのビデオゲーム

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"母さん、兄さんたちと姉さんたちとそれから誰かへ ぼくは父さんの中の化け物から生き延びたんだ”


 Hanbleで安くなってたので買ってみたら凄まじい傑作だったのでひとつ感想を。2年前のPSNでリリース、それから去年にPCという経緯の作品。

 「ブラザーズ」など物語と結合するパズルアクションの傑作が多くリリースされるなかで「Papo&yo」は過小評価されている。それはIGNの低評価に見られるようなリリース当時のこのジャンルに期待されているパズルの難度だのストーリーに関してだったり、はたまた大メディアに対して広告料の少しも出さずコネクションもなかったゆえの根回しなしの評価なのかはわからないが、極めてクリエイターの個人的な問題をテーマとしているこの作品は出身地としている南米のスラムの現実と少年の空想という関係から、トラウマとサイコセラピーのプロセスという精神治療的な側面さえ含めたリアリズムとファンタジーが結合した類のない体験を形作っているのだ。

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2014年1月19日 (日)

”セックスか殺人を知った子供”のモードとして眺める深夜アニメ・ライトノベル・それからJRPG(またまたまた追記あり)

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 最近は「ブラザーズ:二人の息子の物語」から「LIMBO」「papo&yo」などなどのパズルアクションを遊んでいたのだけど、面白いなと思うのは主人公がみな少年のジュブナイルにあたるような物語ばかりだったりすることだ。振り返れば2001年の「ICO」なんかも結果的にそうだったりするし、勝手なことを言えばちょっとしたこの傾向を考えるにアクションのメカニック、そして敵を殺しまくって経験値の蓄積による進行なしにほぼパズルを解いて進行するといった構成のそれぞれの純粋性ゆえに”世界を知らぬ少年の冒険”になるのだろうか?(もちろん、多くの例外が存在する。)


 対置して”敵を撃ち殺す”というメカニクスを搭載したFPSやシューターになると、「GTAV」から「bioshock infinite」に至るまで主人公は中年期に突入。そしてその後をどうしたらよいのかに戸惑っている。適当なこと言えばジャンルによる明確な目的や勝敗といったルールを持った世界で主人公になるのは世界や社会のメカニクスや役割を得た中年になるだなんて思ったりもした。(もちろん、これらは特殊ケースでもあるので例外はある)


 主人公に代表される子供(思春期まで含む)から社会的な役割を持った大人の目線の差の問題。外国(欧米圏)のゲーム(ないし漫画から小説映画)ばっかり見てると子供と大人の目線や役割というのが完全に分かれている。そうした目線になって振り返ると日本の一大サイクルを気づいているライトノベル~深夜アニメ、もしくはJRPG周辺の思春期なのに世界を救う戦いだのの旅路を行く主人公たちというのはオレには露悪的に言って”セックスか殺人を知った子供たち”の一大絵巻となっているかに見えるのである。というわけでド偏見だらけの外野席からのラノベ、アニメ、それからJRPG界隈に関しての雑記。

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2014年1月12日 (日)

「The Stanley Parable」感想と考察・フランツ・カフカからオーウェル、時にマルセル・デュシャンすら喚起する笑いとジャンル破壊の美のメタ・ビデオゲーム

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 FPSという形式は気が付けば多様に表現を飲み込むジャンルだ。単なる主観視点の没入感を持った銃の撃ちあいなんて一形式というのを越え、現在では時にアドベンチャーゲーム的な扱い、あるいは現代アートにおけるインスタレーション的、メディアアート的にさえなるし、またプレイヤーが操作するプレイアブルキャラクターの一人称・三人称の差という、小説における主観としての「僕」「私」か三人称で記される人物を追うか、といったストーリーテリングの構造面さえ含むのだ。


 「The Stanley Parable」とは現在のFPSのジャンル環境を取り巻くおおよそがパロディにされた、メタフィクションをやることがコンセプトになっている。ところが、単なる内幕や骨組みの公開というレベルに留まらず、その切り口の鮮やかはかつての文学からアートさえ喚起させるほどだった。ということで自分の2013年ベスト1のレビュー。いっつも他ジャンルに脱線しがちなこのブログであるが、今回は通常の5倍くらい脱線する内容。

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2014年1月 4日 (土)

Game・Scope・Size's Game of the year 2013

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 昨年は本当に豊饒な年だった。PS3やXBOX360の現世代機ファイナルの作品群もさることながら、スマートフォン・フィーチャーフォンで展開されるソーシャルゲームの尋常でないトレンドの移り変わりから、これまで視界に入れていなかったPCでのsteamやGoGなどのDLサイトや、iosといったプラットフォームにて膨大なラディカルな作品から実験作、海外ADVの過去作を遊べたことは非常に面白い体験だった。

 昨年はどれも面白くて選ぶのに困った、というのは何も自分だけではないと思うが、ビデオゲームに競技性(狭義ゲーム性とも・ダジャレみたいね)も蓄積・収集もあまり優先していないために、ベスト10はほとんどインディーズゲーム界隈ばっかりになってしまった。

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