« 2013年11月 | トップページ | 2014年1月 »

2013年12月

2013年12月29日 (日)

「GTAV」感想と考察 もしあなたの友達が陰鬱な中年とばかりつるむようになればしかるべきところへ相談に行け

400pxgtavkeynotejaynorrisliferinvad

このゲームではライフインベーダーこと"Facebook"を「人類をどうしようもない状況へ追いやった根源」と嗤い、やはり継続し続けるアメリカの共和党系列も新自由主義ムードも嗤うが、ロックスターゲームスも大概だ

 「GTA3」が出てきたときは、限りなく現実を模した都市の中でただ車を盗み、人を殺し続け、警察とそして軍隊と戦い続けるインモラルな自由と暴力を振り回すことが出来ればそれでよかった。だがそれもシリーズを重ねるごとに飽きる。しかし「GTA・サンアンドレアス」では綿密に練られた90年代でのヒップホップ東西対立という文脈をベースにまるでRPGのように世界各地を冒険するかのようなプレイヤーが関与できる場所やチャレンジを徹底して増やすことで、単なる自由度を越えた構成によって飽きさせなかった。

 やがて「GTA4」が現れた時にはこれまで許されてきた盗みも暴力も許されたゲームメカニクスと、アメリカンドリームを失っているにもかかわらずそれを求め現代のアメリカへ向かうセルビア人のニコ・ベリックをはじめ各国の有象無象の人間たちの現実というコンセプトと物語の興味深さは反発しあい、このタイトルに容赦のない暴動を期待するプレイヤーたちにそうしたテーマがハイライトとなることは難しかった。


 その後、膨大な数の都市オープンワールド(定義が広いのでGTAタイプを便宜的にこう書きます)ゲームが生まれ、当初新鮮かつスキャンダラスなこの構成も一般的なものとなる。「GTAV」は紛れもなくジャンルに飽きているくらい広がった中で投入されたパイオニアの一発ということで注目していたが、驚くべきことにここまでシリーズに飽き、オープンワールドのメカニックの限界を目視しても飽きさせない、新鮮な体験を投入しきっており驚愕させられた。

続きを読む "「GTAV」感想と考察 もしあなたの友達が陰鬱な中年とばかりつるむようになればしかるべきところへ相談に行け" »

2013年12月14日 (土)

ビデオゲームズ・チルウェイヴ

Bibiukjb

 昨今のインディーズゲーム界隈に関しての言説には、そのままインディーズのロックバンドのDIY精神やら構図やらをアナロジジャイズすることが少なくない、っていうのに乗っかるわけじゃないが、いまやビデオゲームシーンのクリエイティビティ面への注目(決して現在のそれがインディーズゲームの本来の役割や立ち位置を見失いを意味してねえよという言及だって少なくない)が集まるなかで、去年から今年にかけて評価され、そして遊んだゲームの傾向の一つが、とある音楽ジャンル傾向に似通ってる感じを受けたのだった。

続きを読む "ビデオゲームズ・チルウェイヴ" »

2013年12月 6日 (金)

「ブラザーズ:2人の息子の物語」感想と考察 ビデオゲームの中でバラバラのままの感情と理性の二重性が結合する長い旅

20131204_00004

 「ビデオゲームはプレイヤーが自分で操作して世界と干渉するためもっとも物語を味わえるんだ。双方向的だから一方向だけの映画や漫画や小説の物語よりも豊饒なんだ」というような物語論の部分で簡単にビデオゲームならではの利点を語るのをしばしば見かけるのだが、しかし詰めのところでそれはまったくの逆の評価となる。むしろそれはビデオゲームならではの弱点ともなりうる点だからだ。


 なぜならビデオゲームで干渉出来うる部分というのは結局のところ限られているうえに、搭載されている物語や登場人物の性格、世界観といった部分と根本の部分であるゲームメカニクス・システムというのは確実に相反しあう。ゲームプレイヤーが実質的に干渉しているのは物語ではなく、ただゲームメカニクスそのものだけだ。RPGのルールであるザオリクだけが”死”と名付けられた戦闘不能のステータスを戦闘可能にするだけであり、パパスをゲマに殺された”物語”から救うことはメカニクスやプレンダーの木の枝の分かれ目にかからない限りありえないのだ。そしてもちろんそれをプレイヤーは皮膚感覚で分かっているのだ。


「ブラザーズ:2人の息子の物語」とは近年様々な手法でプレイヤーが干渉し得ない物語というものと同時に、干渉せざるをえないメカニクスをギリギリまで削ぎ落とし、引き合いながら相反しあう二つをシンクロさせる試みを行っているAAAタイトルからインディーズまでのクリエイティビティの流れの中の一つにある。

 だがしかし、このタイトルならではの異色さというのはまさに二人の兄弟を操作するが如く、ビデオゲームとそしてプレイヤーそのものを取り巻く、引き合い相反しあうという二重性というものがゲームプレイ全体の重低音として提示されているとしか思えないところなのだ。




 

続きを読む "「ブラザーズ:2人の息子の物語」感想と考察 ビデオゲームの中でバラバラのままの感情と理性の二重性が結合する長い旅" »

2013年12月 2日 (月)

「anodyne」感想と考察 ダークサイド・オブ・ニンテンドーの系譜

Image

 

 「anodyne」はゼルダのゲームデザイン引用どうのこうのなんて話からスタートしてもどうだっていいことで、むしろこれは「ドラゴンクエスト」にとっての糸井重里の「MOTHER」「バイオハザード」にとっての須田剛一の「killer7」みたいなもので自分が表現したいもののために既存のデザインを使っているタイプのゲームだ。


 そうしたビデオゲームがゲームメカニクスを越え、プレイヤーの深層心理にまで食い込んでくる印象を与えたように、このゲームも相当に内省的である。ここのところのインディーズ界隈は何故憂鬱さや逃避的なチルウェイヴ的な作風が少なくないのか?ということ込みの「anodyne」のレビュー。

続きを読む "「anodyne」感想と考察 ダークサイド・オブ・ニンテンドーの系譜" »

2013年12月 1日 (日)

「アウターワールド」は20年早いビデオゲームだった 「アンチャーテッド」を90年代にとっくに実現してた感さえある

Image


 発売当初ではあまりに逸脱したスタイルでありながらも、その特定のジャンルに回収されないかのようなアートスタイルとヴィジュアルによって数多くのゲームクリエイターから名前の挙げられることの多い「アウターワールド」

 最近になってios版をクリアしたんだが、遊んでいて痛感させられたのは「これはやること為すこと20年は早い」と全編にわたって思わされる出来であり、まさしく初代発売の1991年それからiosエディションリリースの2011年の期間そのままに後で効いてくる要素が全面に渡っているのだった。


 

続きを読む "「アウターワールド」は20年早いビデオゲームだった 「アンチャーテッド」を90年代にとっくに実現してた感さえある" »

« 2013年11月 | トップページ | 2014年1月 »

おしらせ

  • 人気ブログランキングへ
    GAME SCOPE SIZEはWordpressに移行しました。
    新規の記事はこちらからになります。

特集

  • 人気ブログランキングへ  ファイナルファンタジーⅦとクーロンズゲートによる人格分裂・カルト・ネット・世紀末まみれの90年代プレイステーション

    人気ブログランキングへ  デビルメイクライやベヨネッタはどこから来たのか?「スラッシュアクション」仮設の歴史

    人気ブログランキングへ  監視・規制・権力のビデオゲームズ 「ディシプリン*帝国の誕生」から「Watch dogs」まで6選 人気ブログランキングへ  CYBER PUNK VIDEO GAME  2015年の日本産オープンワールド・9つの奇妙なシンクロより生まれる狂気

Share


フォト

Author: EAbase887

AD

無料ブログはココログ